文化のみちってどんなところ?
名古屋城から徳川園にかけてのエリアには歴史的な遺産が数多く残っているので、名古屋ではそこを「文化のみち」と呼んでいます。文化のみちは大きく分けて3つあり、今回紹介するのは、「白壁・主税・橦木エリア」と呼ばれる場所で、ここ周辺には昔の有名人や偉人たちの屋敷が残っています。そんな歴史的な屋敷を4つ紹介します。
◆ 橦木館
◆ 二葉館
◆ 旧春田鉄次郎邸
◆ 旧豊田佐助邸
橦木館
[おすすめ度] ★★☆☆
橦木館は輸出陶磁器商であった井元為三郎によって建てられた屋敷です。1925年ごろに建てられたものだそうですが、最近の家だと言われても疑わないくらいにデザインが新しく感じます。つくりは洋館と和館が合わさっており、約600坪の武家屋敷です。
館内は洋と和が混ざった感じの部屋がいくつかありました。和室はとても広く、庭の眺めもいいのでお金持ちの家って感じがしました。洋館の方は、スペードやダイヤの絵柄のステンドグラスや陶磁器の展示などがしてありました。洋館の方は大正の雰囲気が漂っています。
橦木館にはカフェも併設されており、洋館一階の応接室を改造したもので、「SHUMOKU CAFE」として営業しています。ドリンク、食事、デザートと幅広く提供しているカフェで、橦木館の庭を眺めながらティータイムを楽しめます。また、天気がいい日にはテラス席も解放しているそうです。
住所 | 愛知県名古屋市東区橦木町2-18 |
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料金 | 【橦木館のみ】
【二葉館との共通券】
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開館時間 | 10:00-17:00 |
休館日 | 月曜日、12/29-1/3 |
アクセス |
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リンク |
二葉館(旧川上貞奴邸)
[おすすめ度] ★★★★
二葉館は日本で最初の女優と言われた川上貞奴が居住していた和洋折衷の建物です。ここで紹介する4つの建物の中で一番洋風で豪華な造りになっているのではないかと思います。また、ここは文化のみちの拠点施設としての役割もあり、様々な情報を発信しています。
二葉館最大の見所は大きなステンドグラスです。右上と左上は復元させたものだそうですが、それ以外の大部分は当時からそのままです。触ってみるとわかりますが、復元のものと当時の本物とでは、感触が全く違います。当時のものはザラザラが多めで、いい雰囲気を出していました。
川上貞奴はとても厳しかった人だそうで、お手伝いさんは恐れていました。お手伝いさんが逃げ出すこともしばしばあったようで、その対策としてこの蔵に荷物を閉じ込めておいたそうです。その話を聞いただけでも恐ろしさが伝わってきました。
この屋敷にかかった費用は16万円です。とても安いと思うかもしれませんが、今の価値に換算すると約16億円です。とてもいい素材を使って建てられていたので、修復に使った素材の方が質が悪く、そっちの方が先に老朽化すると言われています。(画像上半分が修復に使った木・画像下半分が当時の木)
住所 | 愛知県名古屋市東区橦木町3-23 |
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料金 | 【二葉館のみ】
【橦木館との共通券】
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開館時間 | 10:00-17:00 |
休館日 | 月曜日、12/29-1/3 |
アクセス |
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リンク |
旧春田鉄次郎邸
[おすすめ度] ★☆☆☆
旧春田鉄次郎邸は洋風な造りの一階が見所ですが、現在はレストランになってしまっているため見学することはできません。二階は見学することができるので、希望の方は隣の「旧豊田佐助邸」までお越しください。
旧豊田佐助邸
[おすすめ度] ★★★☆
豊田佐助とはトヨタグループの創始者である豊田佐吉の実の弟です。1920年ごろに建てられた屋敷で、広い間取りの和館と白いタイルが特徴的な洋館で構成されています。川上貞奴の二葉館とはまた違った豪華さを感じることができました。
これは”とよだ”のマークが入った天井換気口です。鶴と亀が「と」と「よ」と「だ」で構成されてるのがわかりますか?「と」と「よ」はわからなくもないですが、「だ」に関しては一切わからなかったです。玄関入ってすぐのところにあるのですが、模様へのこだわりはこの先にもたくさんありました。
こちらは一階の和室から庭を眺めたときの写真です。畳に座ったときに庭を眺めるとちょうどいいように設計されています。畳の上にも上がることができるので、実際に見てみてください。
庭側の戸の上にあったのが、「無双連子窓」と言われるものです。スライド式になっており、満月の日には月明かりが和室に入るように設計されています。実際にスライドさせてみると、昔のものなのにスルスルと動いてくれます。さすが、一流の大工さんが造ったお屋敷です。
この屋敷は戦後、アメリカ軍が所有し兵士の住居となっていましたが、その後は、トヨタグループ会社のアイシン精機が社員の寮として使用していたためその時の電話などの名残があります。景観が損なわれるためか、ガイドさんは電話や天井の扇風機を嫌がていたようですが、これはこれでいい雰囲気が出てました。
豊田佐助のこだわりは襖の取っ手部分にも出ていました。屋敷で統一するのではなく、部屋や場所ごとに異なった柄・形を使用しています。これは気に入った形のものを4つ撮ったもので、他にも何種類かあったので見学する時には取っ手にも注目して周ってみるといいと思います。
住所 | 愛知県名古屋市東区主税町3-8 |
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料金 | 無料 |
開館時間 | 10:00-15:30 |
休館日 | 月曜日 |
アクセス |
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リンク |
文化のみちガイドボランティア
今回、二葉館と旧豊田佐助邸は、「東区文化のみちガイドボランティアの会」の方に案内していただきました。ガイドさんが教えてくれる背景知識と一緒に見学するとより一層楽しく周ることができます。予約不要で無料でガイドしていただけるので、来館した際にはぜひガイドさんと見学してみてください。
◆旧豊田佐助邸
ガイド常駐日:火、木、土
◆文化のみち二葉館
定時ガイド: 火、木、土
10:45、13:20の2回(30~40分)