南極観測船ふじと名古屋港ポートビルってどんなところ?
この2つの施設は名古屋港水族館からすぐ近くにあります。名古屋港水族館に来る人もこの2施設に行く人はとても少ないです。ふじの方は南極について学べる博物館になっており、ポートビルの方は名古屋港に関する博物館と最上階に展望室があります。どちらも楽しい施設なので水族館の帰りに寄ってみてください。
橋の上から名古屋港をぐるりと撮影してみました。この写真から名古屋港水族館との距離の近さがわかるかと思います。左にあるドームがついている施設が水族館、真ん中のオレンジ色の大型船がふじ、アーチの下に見えるのがポートビルです。
南極観測船ふじ
当時の様子が伝わる船内へ
南極観測船ふじは南極での活躍を終えて1985年から博物館として名古屋港に固定されています。全長100m、幅20m以上の巨大な船なので、名古屋港でひときわ目立って浮かんでいます。
それでは中へと入っていきたいと思います。入場料は「大人¥300子供¥200」となっており、名古屋港水族館とこれから紹介していく海洋博物館とポートビル展望室とのお得な共通券もあります。外観をそのまま残した博物館になっているので、入場するというよりは出航する感じがあります。
入ってすぐの場所にあるのが調理室です。マネキンがリアルすぎて、本当に食事を配給してくれそうですね。全ての部屋にはありませんが、主要な部屋にはマネキンが置かれているので、船内での生活はどのような感じだったのかがより伝わってくると思います。
こちらは医務室で、ふじの乗船者約240人の健康をあずかっていました。基本的な健康診断などはもちろんのこと、この広いとは言えない部屋で手術も行ったそうです。航海期間は約5ヶ月もあるので健康管理はとても大切だったと思います。
こちらは船員が生活するための部屋です。この部屋で10人程が暮らしていたそうで、3段ベッドが5台と机やトイレやお風呂があります。中では何やらカラフルなボードゲームをしていますが、何のゲームなのかはわかりませんでした。
まだまだマネキンはありますが、紹介はここら辺にして他の見どころを伝えていきます。こちらは船内で使っていたと思われる、コンパスや非常食糧です。オレンジの箱に9食分入っていますが、とてもお腹いっぱいになるとは思えません。
これは当時の一日のスケジュールが記載された航海日課です。海上自衛隊では5分前に準備を終えておく「5分前行動の精神」があるので、そのこともここに書かれています。見にくいとは思いますが、「6:55総員起こし5分前、7:00総員起こし」のように書かれています。
船員が利用していたベッドです。布団は薄く狭いので寝心地は悪そうです。船の上のベッドなので船が揺れるたには最大で45°傾いたそうです。
ベッドの上に、「人生楽あれば苦も又多し」と当時の船員が書き残しています。やっぱり南極探検は相当辛かったのでしょうか。これを書いたときの船員の気持ちはわかりませんが、その下にも書き残しがあり、「良い時もあれば悪い時もあるので常に大らかな気持ちで接するのが大事」とあります。
2Fの南極の博物館へ
B1Fや1Fをずっと進んでいくと南極博物館に到着します。これまでは当時の様子をそのまま残した船内でしたが、ここは南極のことが知れる博物館へと改装されています。船内のように見えないかもしれませんが、ここも船内の一部です。
南極の氷の展示で、日本の一般的な氷と比較されています。左側の白く濁っている方が南極の氷です。水が固まったものではなく、空気とともに雪が押し固められて作られているものなので白くなるそうです。圧縮された空気を多く含んでいるので水の中で溶かすとパチパチ音とがなるそうですが、もちろん実際にはできません。
3Fの甲板とブリッジへ
南極観測船ふじは船内の見学だけではなく、甲板に出ることもできます。甲板には輸送や偵察で使われていたヘリコプターの展示があります。こんな大きなヘリコプターが3機も乗せられていたそうで、ここから1機ずつ飛び立っていきました。
残念ながらこのヘリコプターの中に入ることはできません。一部開いているので中を見ることはできますが、やっぱり中に入って座りたいです。
次は船首の方に行ってみました。海に浮かんでおりライトや計器も残されているので航海をしている気分です。高さが約12mある大型の船なので景色も意外と良し。ちなみに目の前に見えるのが名古屋港水族館です。
ふじでは操舵室にだって入ることができます。総航行距離は地球17周分にもなる南極観測を支えた司令塔です。外観はオレンジ、船内はエメラルドグリーンというコントラストがかっこいいです。
これは船長がみていたであろう眺めです。防寒のためか船の大きさの割に窓が小さいので見通しは悪かったです。基本的に船内のものを触ることは禁止されてはいないので、レバーを握ったり椅子に座ったりと存分に船員の気分を味わうことができます。仕方ないですが、この窓向こうの景色は海ではなく建物です。
南極観測船ふじの見学終了
これでふじの見学は終了です。だいたい30分から1時間程度で全て回れると思います。ここで紹介した見どころや魅力が全てではないです。また、一般的な博物館とは違うので人それぞれ違った楽しみ方ができると思います。それでは次に名古屋港ポートビルに行った様子を紹介していきます。
名古屋港ポートビルに移動するときには広場にある展示にも注目です。こちらはソリ犬として活躍した「タロ」と「ジロ」です。南極観測での活躍を讃えてふじの展示とともにこの像を設置しました。
名古屋港ポートビル
南極観測船ふじの隣にあり、名古屋港水族館と橋で繋がっているのが、この名古屋港ポートビルです。普通のビルとは違う特徴的な形をしており、海に浮かぶ白い帆船をイメージしてあります。この中には海洋博物館と展望室の2つがあるのでどちらにも行ってきました。
まずは海洋博物館へ
海洋博物館の魅力をいくつか紹介していきます。
こちらは名古屋港のジオラマです。名古屋港は深さ1mあたりの海を利用して作られた人工の港で、上から見たジオラマからその様子がわかると思います。レゴランド・ジャパンやリニア・鉄道館のある金城ふ頭やその他の工業地帯まで再現されています。
海洋博物館では様々な名古屋港の役割を楽しく学ぶことができます。名古屋港は貨物取扱量日本一なので学べることはたくさんあります。世界と日本をつなぐ名古屋港をもっと知ると物の見方が変わるかもしれません。
操舵室を再現した展望エリアです。船員の制服を着て記念撮影をすることができます。ここからの景色もなかなかいいですが、この上にある展望室の方が格段にいい景色を見られるのでぜひ行ってみてください。もちろんこの後に紹介もします。
ここは世界から輸送されてくる貨物やそれをどのように取り扱っているのかを学べるエリアです。輸入されてくる木材や鉱物などの展示や、輸出される自動車に関する展示があります。愛知県にはトヨタがあるからか輸出される半分以上が自動車関係の物で、その重さは3,500万トン以上です。
ガントリークレーンシミュレータ
せっかくなので運ばれてきた貨物をトラックに積む作業を体験できるゲームをやってきました。小さな子でもできるゲームで無料ですので皆さんもやってみてください。
右手にあるレバーやボタンを使っって操作を行うゲームです。コンテナを持ち上げてトラックの荷台に積む単純な作業なのですが、一発でクレーンの位置を合わせるのがとても難しかったです。実際はロープが少し揺れると思うのでもっと難しいのでしょう。
このゲームは最後に評価もされます。結果は最低評価のルーキーでした。おそらく何回も位置を調整して時間がかかったのが原因だと思います。挑戦する方は素早く一発で位置を調整してトラックに積み、最高評価を目指して頑張ってください。
まだまだ見どころはあります
このジオラマ付近は伊勢湾台風に関するコーナーとなっています。伊勢湾台風は東海地方に直撃し、5,000人以上もの死者を出しました。名古屋港も例外ではなく甚大な被害をもたらしたので、その歴史を後世に伝えるために様々な展示がされています。
こちらは、ここ海洋博物館最大のシミュレータです。船の操縦を体験できるゲームで、ゴールまでうまく辿り着くのにはなかなか難しい仕様になっています。これだけリアルな操縦体験はなかなかできないですので、ぜひやってみてください。
高さ53mの展望室
海洋博物館を楽しんでから、名古屋港ポートビルの7Fにある展望室に行きました。海洋博物館と展望室の料金は別々なことにお気をつけください。料金の詳細は最後に表にまとめてあります。
展望室は360°見渡せるようになっています。高さは53mとものすごく高いわけではないですが、海沿いに建っているため海のいい景色を眺めることができます。これは名古屋港水族館方面を撮った写真です。水族館も遊園地も商業施設JETTYもふじも全て映ります。いい景色だと思いませんか?
望遠鏡が設置されていたので名古屋港水族館を見てみたところイルカショーの様子を見ることができました。かなりはっきりと見ることができ、飼育員とイルカのやりとりまで見えました。イルカショーの時間にちょうど展望室にいた場合は見てみて下さい。会場とは違った角度なので新鮮味があります。
南極観測船ふじと名古屋港ポートビルのまとめ
この2つの施設の魅力は伝わりましたでしょうか?どちらも名古屋港ならではの施設だと思うので、名古屋港にいた際はぜひ行って下さい。水族館を楽しみすぎて時間がなくなってしまったときは、展望室からの眺めだけでも見ていくのがおすすめです。
南極観測船ふじと名古屋港ポートビルの情報
住所 | 愛知県名古屋市港区港町1-9 |
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料金 | [各施設の単独券]
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営業時間 | 9:30-17:00 |
定休日 | 月曜日 |
アクセス | 地下鉄名古屋港駅から徒歩5分 |
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